木更津『クルックフィールズ』

 木更津かずさアカデミアパーク~『クルックフィールズ』
 音楽プロデューサー小林武史が櫻井和寿・坂本龍一と共に2003年「ap bank」を立上げ、サステナブルな社会活動への経済支援を開始した。
 2005年には自ら実践すべく株式会社「KURKKU」を発足、東京代々木を拠点に“おいしい・心地よい・環境によい”レストランや“オーガニックな”消費と暮らし方を企画してゆく。
 2010年には農業生産法人「耕す」を設立。2011年の東日本大震災からは復興支援もしている。
 音楽活動と並行してSDGsの活動を続け、2019年秋に新たな拠点となる自然共生施設『クルックフィールズ』を開設した。
 その広大な“すり鉢”状の地形と微生物・植物の力を利用した濾過システム“バイオジオフィルター”を築造し、循環型農業・畜産業を営んでいる。
 雑木林や畑そして牛や山羊たちが放牧された長閑な草地の背景には、無機質なソーラーパネルが延々と敷き詰められ、人工物と自然の対比がSDGsを象徴しているようにも見える。
 ここには遊戯施設・図書館・宿泊施設・飲食・物販・立体造形など展示物もあり、レジャー・体験・観光農園としての機能も持つ。これほどの施設を維持管理する経費が、安価な入場料でとても賄えると思えないが、来場者を増やし活動への理解・啓蒙の意図があるのかも知れない。
 ライブラリー『地中図書館』/設計:中村拓志・NAP建築設計事務所
 ヴィラ宿泊棟『COCOON』/設計プロデュース:皆川 明・吉田隆人・小林武史/植栽:齊藤太一/料理:原川慎一郎
 ケーキ製造販売所『シフォン』/設計:藤原徹平
 ハム・ソーセージ製造販売所『シャルキュトリー』/設計:藤原徹平
 バンガロー『タイニーハウス』/“量より質”をコンセプトに小さくシンプルに暮らすために作られた 米ポートランド発祥の居住空間。
 バンガローセンター『CAFE& BAR LOUNGE』/読書する、音楽を聴く、飲食するなど宿泊者がリビングのように過ごせるセンターハウス。
 園内所々に仕組まれたスピーカーからはブライアンイーノなどの美しい環境音楽が流れています。
 展示された
アート作品は、草間彌生、増田セバスチャン、ファブリス・イーベル、カミーユ・アンロ。
 それらを見ながら園内を散歩するだけでも楽しいです。
 『ダイニング』レストラン棟/設計:藤原徹平
 自家栽培の有機野菜・ハーブ、ブラウンスイス牛のミルク、希少な水牛のモッツァレッラチーズ、地域のジビエ肉を提供しています。
 隣接のベーカリー『ランカ』でもイートインあり。自家栽培小麦と自家製酵母を使用しています。
 食材を育て、身近で採り、命に感謝する“いのちのてざわり”が狙いとのこと。
 ランチは『鹿肉と人参のハンバーグ+スープ+ライス+ハーブティー』¥1980_
 ジビエ鹿肉に有機人参・玉ねぎを加えている。肉質は脂肪が少なく締まっていて旨味が強い。
 掛かっているソースは赤ワインにトマトとマスタードを混ぜたデミグラス。ピリ辛アクセントが美味しかったです。
 『ミミズコンポスト』が展示されていました。園内で生活廃棄物が出ることで微生物が活性化し水は浄化され土壌は肥沃になってゆく、さらに農産物は育ち自然は豊かになってゆく。
 『クルックフィールズ』は地域循環型自然共生システムの実験・実践場。持続可能な開発モデルになっています。
 この素晴らしい取り組みに賛同し、会員・来場者は増えてゆくと思いますが、やはりデザインの力を感じました。建物・内装・外構すべてが格好いい! デザインは人を惹き付ける力があると思っています。
 サラダドレッシングは赤大根の擦りおろし。美味しかったです。店頭でも販売していました。

 木更津駅や東京渋谷駅からもバスが出ています。サステナビリティを体感しに是非お越し下さい。緑で覆われる季節もお薦めします。


『八天堂きさらづ』に立ち寄り、お土産は・・・
 隣接する「かずさアカデミアパーク」内で“くりーむパン”を製造販売する『八天堂』、カフェが近日OPENするようで楽しみです。

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